日本コレクションの小さなものは18世紀以来,英国の少数の図書館に存在していた。例えばケンペルが元祿時代に日本で収集したものは,1753年大英博物館の創立以来所蔵され,今日でも見ることができる。しかし,これとシーボルト文庫を例外として,本格的な収集は明治維新以後のことであり,英国の外交官アーネスト・サトウの文庫を大英博物館が購入したのがその始まりである。しかし,その後の収集は主として政府刊行物であった。1905年Sir Robert Douglas東洋部長の退職以来,1955年までは日本語の読める人がなく,収集も殆どなかったといってよい。
1955年になってこのギャップを埋めるために,大正・昭和期刊本の組織的選択・収集が大英博物館によって着手されて今日に至っている。今日では約40,000冊に達し,その江戸期以前の蔵書は他に匹敵するものがない。
大英図書館(大英博物館の改組による)のほかに,英国内で有力な日本コレクションは次のとおりである。
以上の各図書館における目録法,選書と分類法はそれぞれ独自であって統一がない。購入は日本の(古)書店の協力によるところが大きい。1960年代の中ごろほぼ同数の図書館員と研究者より成る日本図書館グループが結成され,諸種の共通問題が討議されできたが,その一つの業績としての日本雑誌の総合チェックリストは,第3版が本年末刊行の予定である。収集協定も実行され,重要な本は上記4大学がその収集特色に応じて少くとも1冊は引受けることとしている。この費用は「国際交流基金」の日本研究助成金によって支払われている。
© 1976 三田図書館・情報学会© 1976 Mita Society for Library and Information Science
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